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おやぢロックの友:アウトテイク
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好きな音楽のこととか、映画のこととか、なんかユルユルなことをメモ的に書いてみます。日記はムリ。自己紹介ったって、あとは何だ、好きなものでも書いておくか。アメリカン・ロックとか、西部劇全般、クリント・イーストウッド、サム・ペキンパー・・・おやぢ臭いな。えーと、ルーシー・リューが好き。
そうだ、あと、女子ソフトボールを応援してます。

■ブログにメアドは載せない方がいいらしいけどね。
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デヴィッド・クロスビー『SKY TRAILS』

2017/10/23 00:27
クリス・ヒルマン(72歳)、スティーヴン・スティルス(72歳)と、きたら当然、今回はデヴィッド・クロスビー(76歳)のニューアルバムである。この三人がほぼ同時に新作を発表するシンクロニシティ。
ザ・バーズのオリジナル・メンバーにして、クロスビー、スティルス&ナッシュでも活躍した、デヴィッド・クロスビーである。

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最近はこんな感じ。森の中に棲む音楽の妖精さんみたいです。

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これは2015年のCSNの来日公演で、(昭和20年代の)手塚治虫の漫画のキャラクターに見えたので、思わず描いてみたやつ。

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さて、新作である。クリス・ヒルマンにしろ、スティーヴン・スティルスにしろ、選曲も含めて少々回顧モードなのは仕方ない。70歳も過ぎると自然にそうなるのだろうし、ファンもそれを望んでるところがある。
ところがクロスビーの、このサウンドの新鮮さには驚くばかり。
この人、50年以上の音楽人生で今が最盛期なのだ。なんという遅咲き。

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2014年に突如発表された『CROZ』を聴いて、おい、これは最高傑作じゃなかろうかと思っていたら、CSNでの来日を挟んで間をおかずに、

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2016年に『Lighthouse』を発表。スナーキー・パピーという若手のジャズ/ファンク・グループのマイケル・リーグ・プロデュースによる、これまた素晴らしいアルバムだった。

そして早くもリリースの『SKY TRAILS』で、さらに2010年代のクロスビー・サウンドが完成されたような気がする。
プロデュースは息子のジェイムズ・レイモンド。参加メンバーは、ディーン・パークスやグレッグ・リーズらベテランと、女性ベーシストのマイ・アガンや、現代フォーク歌手のベッカ・スティーヴンス、サックスにスティーヴ・タヴァローネ(このあたり、全然知らない人だけど気になって検索してみた)ら、若いメンバーの混合バンド。
若手のジャズやフォーク畑のアーティストからリスペクトされて、逆にクロスビーも若い世代に触発されて、いま人生最盛期。

一曲目など、アレンジの方法論はスティーリー・ダンなんだけど、このクールさは、近年のスティーリー・ダンよりスティーリー・ダン的かも。
現代的なフォークとジャズの融合というのか、ちょっとセンスが飛び抜けちゃって、比較が思いつかない。
本当に70歳を過ぎて、新しいサウンドと理想的な音楽環境を手に入れたデヴィッド・クロスビー。ただただ尊敬します。
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スティルス&コリンズ『EVERYBODY KNOWS』

2017/10/20 16:45
スティーヴン・スティルス(72歳)と、ジュディ・コリンズ(78歳)の熟年デュオによる初アルバムが出た。

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あのクロスビー、スティルス&ナッシュの名曲「青い眼のジュディ」とは、ジュディ・コリンズのことだったらしい。一時恋仲にあったという話もあるけど、若きスティルスが一方的に憧れて(そしてフラれ)たんじゃないかと思う。

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最近はこんな感じ。もうどこに行ってもシニア料金なお年頃です。

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一曲目「ハンドル・ウィズ・ケア」。なんとトラヴェリング・ウィルベリーズのカバーときた。意外な選曲かつ新鮮なアレンジ。なにより二人とも歌声は健在だ。スティルスはともかく、ジュディ・コリンズも現役で活動していたとは。
二曲目は、スティルスがクリス・ヒルマンらと活動したマナサス時代のセルフカバーだ。アコースティックな色合いが増して、より二人のハーモニーが美しく染みる。
スティルスが69年に書いたが当時未発表だった「JUDY」、レナード・コーエン「エブリバディ・ノウズ」、ボブ・ディラン「北国の少女」、バッファロー・スプリングフィールド時代の「クエスチョンズ」など、二人が歌いたい曲を持ち寄って、そして未だにスティルスがコリンズを立てているような気がするのが、なんだか良い。

まったく、クリス・ヒルマンといい、スティーヴン・スティルスといい、この世代のアーティストのしぶとさ、「本物さ」には頭が下がります。
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クリス・ヒルマン『BIDIN’ MY TIME』

2017/10/18 15:19
クリス・ヒルマン(72歳)のニューアルバムである。
ザ・バーズのオリジナル・メンバーにして、フライング・ブリトー・ブラザーズ、マナサス、サウザー・ヒルマン・フューレイ・バンド、デザート・ローズ・バンドなどでも活躍した、クリス・ヒルマンである。

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最近はこんな感じ。今も映画スターみたいに素敵なおじいさんです。

近年はデザート・ローズ・バンド以来の相棒、ハーブ・ペダーセンと共にブルーグラスを追求していたが、ひさびさのロック/ポップ寄りのこの新作では、プロデューサーにトム・ペティを迎えている!

しかし「バーズ・チルドレン」のトム・ペティが、クリス・ヒルマンをプロデュースするという構図が、トム・ペティの急死により意味合いが変わってしまった。ブックレットを開くと、大きくトム・ペティの写真が。よく見るとデヴィッド・クロスビーやロジャー・マッギンの姿もある!

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一曲目「リムニーのベル」。ピート・シーガーの、というより当然バーズのカバーのカバーだ。ゆったりとバーズの記憶を辿るかのような12弦ギターの音色。コーラスのハイトーンはデヴィッド・クロスビーだ。
バーズのレパートリー3曲を含む、シンプルだが味わい深い全12曲。
そしてラストは、トム・ペティ「ワイルドフラワーズ」のカバー。
レコーディング時には、まさかトム・ペティが先にいなくなるとは思ってもいなかっただろう。
ブックレットに書かれた謝辞から引用しておきたい。

  Tom, you have been an inspiration and a true friend.
  I am humbled by your kindness and generosity.
  I would never have been able to make this record
  without your support and guidance, thank you.
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レオン・ラッセル『ラスト・レコーディング』

2017/10/15 01:31
追悼ばっかりしているが、昨年11月に74歳で亡くなった、レオン・ラッセルの『ラスト・レコーディング〜彼方の岸辺で』がリリースされた。

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正直なところレオン・ラッセルは、今までそんなに熱心に聴いていたわけじゃないが、ジャケット・デザインに惹かれて買ってきた。
この人のキャリアを振り返ってみると、才能があり過ぎて、結果、マニアックに収まってしまった、という気がする。そういう人、たまにいる。タイプはちょっと違うが、トッド・ラングレンとか。
レオン・ラッセルも、プロデューサー、作曲家、プレイヤー、レーベル主宰など、本来は裏方仕事の方が力を発揮したかもしれないが、それには本人のキャラが強過ぎたし、そしてボーカルにクセがあり過ぎた。

このアルバムは「スタンダード・ナンバーのようなオリジナル」を目指して、全面的にオーケストラ・アレンジが施されている。ラリー・ホールによるオーケストラ・パートは雄大だが、一方で、とても親しみやすいというか、どこか日本の歌謡曲や演歌のようでもある。
その日本のポピュラー音楽のルーツは、やっぱりアメリカのポップスなのかもしれないが、後半の「ラブ・オブ・マイ・ライフ」や「オン・ザ・ウォーター・フロント」あたり、フランク・シナトラというよりフランク永井、的な昭和歌謡の世界を感じる。

  故郷オクラホマをあとにして、流れ流れてナッシュビル〜
  今宵レオン・ラッセル歌います「ラブ・オブ・マイ・ライフ」

みたいな歌謡ショーのイントロの口上が頭に浮かんでくる始末。
30代までの僕なら、なんでぇこんな音楽、と突っぱねている自信があるが、最近はこういう音楽も抵抗なくいいなぁと思ってしまう。
既にスタンダード・ナンバーとなっている「マスカレード」や「ソング・フォー・ユー」のセルフ・カバーは絶品だ。

ちなみにトム・ペティは、レオン・ラッセルが設立したシェルター・レコードからデビューしている。
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マッドクラッチ。

2017/10/11 12:14
トム・ペティが亡くなってハートブレイクな日々、そういえば昨年発表されたMUDCRUTCHのアルバムを買い逃していたので、買ってきた。
スタジオ作としては、これが遺作になってしまったのかもしれない。
それにしても、ジャケットがかわいいぞ。

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マッドクラッチとは、トム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの前身に当たるバンドだが、2007年に突如再結成して、これがセカンドとなる。
ハートブレイカーズのマイク・キャンベルとベンモンド・テンチも参加してるから、いつもとどう違うのかというと「メンバーがちょっと違う」としか言いようがない。
トム・レドン(イーグルスのバーニー・レドンの弟だそうです)や、マイク・キャンベルとベンモンド・テンチも、それぞれ自作曲でリード・ボーカルをとっているから、ハートブレイカーズより民主的かな。

1曲目、おそらくマッドクラッチを結成した青春時代を描いた「Trailer」という曲がもう泣ける。

  We used to dance to Lynyrd Skynyrd
  Ah she used to look so good times

レーナード・スキナードは、トム・ペティやマッドクラッチと同じフロリダ州出身の先輩バンド。

急死したトム・ペティは、当然これが遺作になるなんて思ってなかったはずで、軽やかで、当たり前のようにカッコいいロック・アルバムだ。
僕のいうアメリカン・ロックの「基準」とは、こういうこと。ハートブレイカーズより、リラックスして作ってこのクオリティ。軽くスイングしてホームラン、みたいな。この域に達するアーティストはそういない。
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トム・ペティ。

2017/10/04 00:20
おい、トム・ペティが亡くなったってウソだろ、と情報が錯綜してる中、公式ホームページを見たら本当だったので愕然とした。

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66歳。そうか66歳だったのか。いつまでたってもアメリカン・ロック界の中堅どころ、というイメージだったのは、70年代からブランクなく、コンスタントにクオリティの高いアルバムを作り続けていたからだろう。
なんというか、僕にとってはアメリカン・ロックの一つの「基準」みたいなアーティストだった。とにかくブレがない。信頼と実績の男。
ニューウェーブとか、MTVとか、グランジとか、オルタナ・カントリーとか、いろんなムーブメントをさらりと受け止めた上で、いつだってトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズのサウンドを作り続けてきた。

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最高傑作と思うのは1994年発表の『ワイルドフラワーズ』。
リック・ルービン・プロデュースによるシンプルなロック・アルバム。初めっから終わりまで素晴らしい。これからトム・ペティを聴いてみたい、という人はまず『Damn The Torpedoes』や『Southern Accents』から入ってもらいたいが、たどり着くのはきっと『Wildflowers』。
いま聴いてる。最高だぜ、トム。
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パターソン

2017/10/02 13:18
昨日はシネリーブル池袋にて『パターソン』を観た。
サービスデーにつき1100円。

こないだ『きみの声をとどけたい』を観に行った時に、初めて公開されてるのを知った、ジム・ジャームッシュ監督の新作。

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初期ジャームッシュの作風を思い出す、路線バスの運転手の一週間を淡々と描いた、実に全く何も起こらない映画だった。しかしそこにはジャームッシュの「熟練した何もなさ」があり、しみじみ良い。

ニュージャージー州パターソンという町に住む、主人公の名前がパターソン。最初の数分間は戸惑ってしまったが、荒川区にお住いの荒川さん、みたいなことだろうか。
パターソンを演じるのはアダム・ドライバー。ひょろっと背が高く、なんとなく間延びした顔は『スターウォーズ/フォースの覚醒』でハン・ソロの息子だったアイツ。ここでは平凡なバスの運転手役で、そうするとアダム・ドライバーという名前さえも「運転太郎」みたいに思えてくる。

パターソンは無口だが、いつも寄るバーには知り合いもいるし、少々エキセントリックでアーティスト志向の美人な奥さんもいる。
毎朝早起きし、路線バスでパターソンの町を走り、夕方帰宅してエキセントリックな妻の行動に毎日ちょっと驚いて、ブルドッグと散歩に出かけ、いつものバーでビールを少々。日々その繰り返し。
唯一、彼はノートを持ち歩き「詩」を書く。それが彼のよりどころだ。
この映画は「詩」についての映画であり、「詩」のような映画でもある。
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マイケル・マクドナルド『WIDE OPEN』

2017/09/22 12:11
マイケル・マクドナルド、9年ぶりのニューアルバム『WIDE OPEN』がなかなかの力作で、ファンとしてはすごくウレシイ。
9年ぶりといっても、前作まではモータウン・レーベルでのカバーアルバム三部作だったから、オリジナルはなんと17年ぶり、21世紀初なんだって!サボり過ぎだろマイケル・マクドナルド。

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モータウンでのカバー三部作はいずれも素晴らしい出来で、僕の愛聴盤ではあるが、プロデューサーのサイモン・クライミーがトラックを作ったあとでマイケルをスタジオに呼んで「さ、先生、歌入れお願いします」という、大御所シンガーのカラオケ感が否めなかった。

そこへいくと今作は、マイケルが自宅スタジオでコツコツ作っていたデモに、プロデューサーのシャノン・フォレストが手を加えていったそうだ。
僕の好みでいうと、ちょっと音数が多いかなと思うけど、デモ・トラックに音を「足し算」して作っていった結果なんだろう。
その「足し算」として参加したゲストミュージシャンがまた豪華。
2曲目、珍しくストレートなブルースは、ギターがウォーレン・ヘインズとロベン・フォードだった。
7曲目、一瞬(80年代の)スティングを思わせるのは、ソプラノ・サックスがブランフォード・マルサリスだからだった。
他にもウィリー・ウィークス、マーカス・ミラー、トム・スコット、マイケル・ランドゥ、デヴィッド・ペイチらの名前を見つけたり、曲ごとにミュージシャンを配する作り方は、スティーリー・ダン的ともいえる。

そうした分厚いサウンドの中でも、なによりマイケル(65歳)のボーカルは健在で、いまだに聴き惚れるのみ。
ジャケットのポートレートも、アルバムのアートワークもカッコよくて、そこも含めての「力作」だ。
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むずかしい判断。

2017/09/16 13:59
来週開催予定だった「Blue Note JAZZ FESTIVAL in JAPAN 2017」の中止が発表された。僕もチケットを持っていたので、ガックリ。
ドナルド・フェイゲンが急病により来日中止、さらにフェスごと開催中止とのことだ。

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  今回のフェスティバルには、国内外の素晴らしいアーティストの
  皆様に出演いただく予定になっておりました。ヘッド・ライナー
  である「ドナルド・フェイゲン&ザ・ナイトフライヤーズ」を軸
  に各アーティストに出演のお願いをし、プログラムを組み立てて
  きたなかで、主催者としては「ドナルド・フェイゲン&ザ・ナイ
  トフライヤーズ」の出演無くしては、この音楽フェスティバルを
  成り立たせることは難しいと考え、開催中止という結論に至りま
  した。

ドナルド・フェイゲンの急病は、ウォルター・ベッカーが亡くなったことでの精神的ショックに起因するだろうことは想像できるだけに、責められないし、なんとなく来日中止になる予感もしていた。
難しいのは、フェスには多くのアーティストが出演するわけで、必ずしもドナルド・フェイゲンが目当てじゃない人も沢山いたはず。

そういえば昔、オールマン・ブラザーズ・バンドの来日公演に行ったら、いきなり主催者が出て来て「グレッグ・オールマンが食中毒で本日は出演できません。グレッグ抜きでライブは行いますが、払い戻しも受け付けます」という、なんとも苦渋のライブがあったのを思い出した。
グレッグがいなかったら、それはもうオールマン・ブラザーズではない、と思いつつも残ってライブを見たら、そこは百戦錬磨のバンドなので、急遽アコースティック・セットを入れたりして、素晴らしいコンサートになったのだった。

しかし今回のフェスは、ドナルド・フェイゲンを目玉に、他の出演者が未確定のまま、早くからチケットを売っていたわけで、やはりドナルド抜きでは成立しない。とりあえず払い戻しの代金で、CDでも買おうっと。
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きみの声をとどけたい

2017/09/14 16:58
昨日はシネリーブル池袋にて『きみの声をとどけたい』を観た。
水曜割引にて1100円。

女子高生たちがミニFMをやる話だと知って、ラジオ好きとして見ておかなくては、と劇場へ。監督・伊藤尚往、制作・マッドハウス。

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フラットな人物の絵と、立体的な陰影によるリアルな背景との混在が、独特な世界を映し出して、とても丁寧に作られたアニメ映画だった。

閉店したままの古い喫茶店の中に、ミニFMの機材を見つけた女子高生たちが、ワイワイとラジオごっこをする。ディレクター気取りの子や、音楽担当の子など、仲間がどんどん増えていく。それがひたすら楽しい。
湘南。夏休み。Y字路の喫茶店。江ノ電。自転車。ラクロス部。お寺の階段。友情。夏祭り。もうずっと観てられる。

ミニFM局は今も各地にあり、震災後にはコミュニケーションのツールとして見直されたりもしたが、全盛期は80年代だ。この映画と同じ湘南、ミニFMときて思い出すのは、ホイチョイの『波の数だけ抱きしめて』。あれは1982年の湘南が舞台だった。もともとミニFMをやっていた紫音のお母さんより、さらに前の時代だろう。

この映画にはもう一つ「言霊(ことだま)」というテーマがある。否定しないけど「言霊」と「ラジオ」をどう結びつけるかが難しい。
直接かける言葉や、電話で聞かせる言葉とラジオの言葉はどう違うのか。
YouTubeでもニコ生でもSHOWROOMでもなく、なぜミニFMなのか。
これは「ラジオ電波に乗る言葉」には、なにか特別な力があると感じる、ラジオ好きにしか共感できないかもしれない。
レイトショーのせいもあるだろうけど、観客は大人ばっかりだった(そして大人がボロ泣きしてる)。本来のターゲットであるはずの若者層に、この映画の言霊はとどかなかったのか。
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グレッグ・オールマン『サザン・ブラッド』

2017/09/13 14:42
今年5月27日に69歳で亡くなった、グレッグ・オールマンのラスト・アルバム『サザン・ブラッド』を噛みしめるように聴いている。耳で噛みしめることは不可能だが、そういう気持ちで聴くってことで。

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これは発掘音源ではなく、闘病中のグレッグが、ラスト・アルバムを作るためにスタジオに通って制作した、グレッグの遺言だ。
そういう事情を抜きにしても、素晴らしいサザン・ロックのアルバムだと思うが、そういう事情抜きに聴くのはむずかしい。

タワーレコード店頭には、DVD付きデラックス輸入盤、通常の輸入盤、国内盤の3種が並んでいて、僕は少し迷って国内盤を買ってきた。
しかーし。歌詞の日本語対訳も無いし、ブックレットにある家族とプロデューサーのドン・ウォズによる追悼文の翻訳も載ってなかった。
そりゃ英語が分からない僕が悪いのだが、あえて国内盤を選んで買う唯一の理由はそこじゃないっすか、ユニバーサルさん。

1曲目「マイ・オンリー・トゥルー・フレンド」のみがオリジナル。あとはカバー曲だけど、その選曲にこそグレッグの人生や、メッセージがにじんでいるような気がしてならない。
例えば3曲目のボブ・ディラン「ゴーイング・ゴーイング・ゴーン」の歌詞はこんな感じだ(ディランのアルバムより訳詞参照)。

  おれは糸にしがみついてきた おれはまじめにやってきた
  でも、あまりおそくならないうちに切りはなされるべきだ
  だから おれは行く、おれは行く、行っちまう

あるいは、本人もゲストで参加している10曲目ジャクソン・ブラウンの「ソング・フォー・アダム」も死がテーマにある。そしてジャクソンとグレッグは、たしか若き日に出会っていたはずだ。
または、若くして亡くなったシンガー・ソング・ライター、ティム・バッックリーや、「同志」ともいえるグレイトフル・デッド、リトル・フィートの曲など、グレッグの思いを想像しながら、その声を、噛みしめるように聴いている。
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日本エレキテル連合『地獄コンデンサ』

2017/09/09 23:35
今日は新宿シアターモリエールにて、日本エレキテル連合単独公演『地獄コンデンサ 岩下の新生姜と共に』を観劇。

昨年は「日本神話」をモチーフにしたエレキテル。今年は「地獄」。どんどんアングラに潜って行ってる気がするけど大丈夫かエレキテル。

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やはり観客の年齢層は高い。以前は女性客が多かったが、今回は男性(おじさん)客もかなりの割合で来てた。タイタンライブの流れだろうか。

そして、どういう経緯か知らないけど「岩下の新生姜」さんがスポンサーについていた。大切なスポンサー様なのに、最初っからイジリまくり。堅い企業なら怒り出すんじゃないかと思うくらい、徹底的に「岩下の新生姜」をネタにする。結果、なんとフトコロが深く、お笑いに理解のある会社だろうと、しっかり好印象が残ったので、コラボ成功です。

それにしても相変わらずというか、以前にも増してというか、ブッ飛んだコントを次から次へと思いつくもんだ。前回の「神ラップ」に続いて、今回のアイドル声優ソングも異様にクオリティが高くて、最高に笑った。
コントの合間の映像も、単に場つなぎではなく映像作品として成立していて、生のコント以上にブラックなネタに引きつり笑い。
もうこのまま自分たちのお笑いをトコトン追求してくだされ。地獄までとは言わないけど、ついていきます。
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ウォルター・ベッカーは、もういないということ。

2017/09/04 10:57
ウォルター・ベッカーの訃報にはさすがに驚いた。67歳。
スティーリー・ダンの新作は、もうないということだ。

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おととい、発売されたばかりのムック『STEELY DAN』(シンコーミュージック刊)を買ってきて、読みながらスティーリー・ダンのアルバムを聴き返し、昨日はiPodにウォルター・ベッカーの2ndソロ・アルバム『サーカス・マネー』を入れて、一日聴いていたところだった。

  だれかがミュージシャンの平均寿命を調査したところ、一般の人
  より短いらしいんだ。相当な量の酒やたばこ、さらにドラッグま
  でからんでくれば、当然だよね。もともとミュージシャンの生活
  は不規則で、仕事のある時とない時の差が激しい。考えてみれば、
  タフな人生だと思う。       (ウォルター・ベッカー)

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そんなインタビュー記事を読んだばかりだった。というか本当はこのムックの感想を書こうと思っていたのに。

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ウォルター・ベッカーの『サーカス・マネー』は2008年リリース。ほぼ全編にレゲエのリズムを取り入れた、ウォルター流レゲエ・アルバムと言ってもいい。しかしサウンドはどこまでも都会的でクール。ウォルターのボーカルは、ハードボイルドな香り。ちょうど夏の終わりに聴くと、ものすごく気持ち良い。素晴らしい音楽をいっぱいありがとう。
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戦争のうそつき

2017/09/01 16:55
『サム・ペキンパー』(ガーナー・シモンズ著/河出書房刊)という本で『戦争のはらわた』に関する部分を読み返してみた。
ペキンパー監督と主演のジェームズ・コバーンは、撮影前にリサーチのためヨーロッパに渡り、ドイツ対ロシア戦争のドキュメントフィルムを見たそうだ。以下ジェームズ・コバーンの言葉から抜粋。

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「同じ映像をもとに作った二本のドキュメンタリー映画を見たんだが、一本はドイツがプロパガンダ用に作ったもの、もう一本はまったく同じ映像を使って作ったロシアのプロパガンダ映画だった。同じショットがまったく違うイデオロギーによってそれぞれ違う編集をされると、どんなものになるかを見られたのは、とても貴重な経験になった。そのとき気がついたのは、それぞれ違うけれども嘘つきだということでは双方とも変わらないということだった。サムは、それがかなりショックだったみたいだな。真実というのは……真実というものがあるとしたらの話だが……そこに描かれていたものとは、まったく別なんだ」   (ジェームズ・コバーン)

長い引用だけど、これが『戦争のはらわた』の本質という気もするし「戦争とは」についての言葉とも言えるかもしれない。
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戦争のはらわた

2017/08/31 16:57
昨日は新宿シネマカリテにて『戦争のはらわた』を観た。
水曜サービスデーにつき1000円。

僕はサム・ペキンパー監督のファンなので観たことはあるが、デジタル・リマスター版を映画館でとなれば、それを逃す手はない。

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ただただカオス。第二次大戦下、ロシア戦線のドイツ小隊の映画だが、ドイツ軍は英語を話すし(昔の映画はそんなもんです)、どう見てもジェームズ・コバーンだし、設定がいろいろ倒錯している。
アメリカの戦争映画って、アメリカ軍がドイツをやっつけるもんだけど、これはヨーロッパ資本とはいえ、ドイツ軍が主役なのは珍しい。

そうした表面的な倒錯を抜きにしても、いったい彼らは攻めているのか逃げているのか。そもそもドイツとロシアってなんで戦ってるんだっけ?
本営との距離感も掴めないし、戦況もさっぱり分からない。
唯一の目標は「生き抜くこと」だろうが、シュタイナー伍長ときたら負傷後に帰国の許可が出たにもかかわらず、自ら戦地に戻って行くある種の戦争中毒者だし、そこには愛国心もナチズムも全くない。

戦場ってそういうもんだから、とばかりに混乱をそのままスクリーンに叩きつける。なんなんだ。このカタルシスをどう受け止めればいいのか。
久々に観た『戦争のはらわた』は、問題作にして傑作だった。
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オールド・クロウ・メディスン・ショー

2017/08/27 14:58
音楽ジャンルともいえない、ぼんやりした定義の「アメリカーナ」という言葉がある。よく分からないけど、今回初めてこのオールド・クロウ・メディスン・ショーというバンドを聴いて、なるほど「アメリカーナ」とはこういうことかな、と思う(今さら)。

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これはボブ・ディランの名盤『ブロンド・オン・ブロンド』の発売50周年を記念して、オールド・クロウ・メディスン・ショーが『ブロンド・オン・ブロンド』全14曲を収録順にカバーしたライブ盤。

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オールド・クロウ・メディスン・ショーは1998年から活動しているというから、そこそこベテランだけど、ボブ・ディランがいまだ現役だから、三世代くらい若い気がする。ちなみにタワーレコードでは「フォーク」のコーナーに置いてあった。
6人編成で、ギター、フィドル、バンジョー、マンドリン、アコーディオンなどを演奏するマルチプレイヤー揃いのようだ。

原曲のイメージを解体することなく、しかし独自のアレンジと勢いのある力強い演奏で『ブロンド・オン・ブロンド』が再現されていく。
おお、あの曲がこう解釈されるのか、という新鮮さを味わいながら、まんまと『ブロンド・オン・ブロンド』とは、なんという名盤だろうか、と改めて気付かされることになる。

もっと原曲を壊しちゃっても面白かったかなと思う。なにしろボブ・ディラン本人が、ツアー毎にまるで違う曲のようにアレンジする人だから、オールド・クロウ・メディスン・ショーの解釈はまだまだ想定内だ。まあオリジナルに対して尊敬と愛情が勝っちゃってるんだろうなぁ。
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爆笑問題 with タイタンシネマライブ

2017/08/26 12:05
昨夜はTOHOシネマズ六本木にて『タイタンシネマライブ』を観た。
前売券で2000円。

2ヶ月に一度開催のタイタンライブ。僕は3月以来。

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タイタン所属芸人もいつのまにか増えて、昨日は爆笑問題、長井秀和、ゆりありく、瞬間メタル、日本エレキテル連合、ウエストランド、脳みそ夫、シティホテル3号室、まんじゅう大帝国が出演。これでもまだ出演できてない若手がいる。
テレビに出てるのは爆笑問題くらいだけど、ファンにとってはウエストランドや日本エレキテル連合あたりはもう大御所感すらある(笑)

そして今回のゲストはBOOMER & プリンプリン、パペットマペット、つぶやきシロー、ハライチ、タイムマシーン3号が出演。

ゲストの中ではハライチのネタが凄かったなぁ。どんどんヒートアップしていくつぶやきシローのつぶやきも、タイムマシーン3号も面白かった。
エレキテルは、前に単独公演で見たネタだったけど、コントの域を超えたぶっ飛んだやつ。

爆笑問題は、お騒がせ女性タレントと女性議員列伝。もうネタが尽きないくらいイジリ甲斐がある女性が多くて「これが安倍さんが言ってた女性活躍社会か」と太田さん。

スペシャルシークレットゲストの出演は、直前でキャンセルになったそうだけど、十分満足のボリュームでした。
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ベイビー・ドライバー

2017/08/22 17:32
昨日は新宿バルト9にて『ベイビー・ドライバー』を観た。
平日夕方割引にて1300円。

エドガー・ライト監督のクライム・カー・アクション映画。アンセル・エルゴート、ケヴィン・スペイシー、ジェイミー・フォックスほか出演。

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(「映画秘宝」とか読んでるタイプの)若者に人気のエドガー・ライト監督だが、僕は若者じゃないから正直ピンときてない。でも雑誌の記事で今作はウォルター・ヒル監督『ザ・ドライバー』をリスペクトしてると知って、ほぉそれなら「こっち側」の映画じゃないか、と観にいった。

いわゆる犯罪者の逃亡専門ドライバーの話。主人公が無表情で無口で名前が「ベイビー」と記号化された設定に、確かに『ザ・ドライバー』の影響をみることができる。ついでに言うとニコラス・ウィンディング・レフン監督、ライアン・ゴズリング主演の『ドライヴ』(2011)もまたそうだった。

このテの映画あるあるで、足を洗うつもりのラス1仕事が破滅のもと。よせよベイビー、断るんだ、ノーって言え!と思いつつ、まあ引き受ける。そしたら、ほら、言わんこっちゃないという展開に。
ダイナーの可愛いウェイトレス、デボラを巻き込むんじゃないよ。それよりこのダイナー、制服のスカートが短すぎやしないかね。ぜひコーヒーを飲みに行きたいよ。

ノリノリの音楽(特にジャンルにこだわらず聴くようだ)とカー・アクションの融合はエキサイティング。青春映画的な要素も盛り込んで2時間飽きさせない。
がしかし『ザ・ドライバー』は、登場人物の背景も内面も削ぎ落としたストイックな映画で、そこに美学があったなあと「こっち側」に戻った僕は思ったりして。
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ロスト・イン・パリ

2017/08/16 12:59
昨日は渋谷ユーロスペースにて『ロスト・イン・パリ』を観た。
火曜割引1200円。

フランスで道化師として活躍しているというドミニク・アベル、フィオナ・ゴードン監督・主演によるコメディ。

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このコンビの日本公開作は3作目らしいけど、僕は初めて観た。パントマイム的な動きを随所に取り入れた作風が見慣れなくて、最初はやや戸惑ってしまうが、中盤からは完全にハマってしまった。
パリに住む叔母から助けを求める手紙が届き、カナダからパリにやって来たフィオナ。しかし部屋に叔母はいなく・・・そこから徹底したすれ違いコメディになっていく。

むしろ古典的な喜劇映画の復活なんだろうけど、絵本のようにカラフルな色彩の画面と、小気味いいテンポでとても新鮮に映った。
冴えない中年のおばさんと、ホームレスのおじさんが、どんどん魅力的に見えてきて、ラストは幸福感に包まれる。なんと素敵なロマンティック・コメディだろうか。
アベル&ゴードンの過去作もチェックしておかないと!
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サンタナ&アイズレー・ブラザーズ「パワー・オブ・ピース」

2017/08/10 23:09
サンタナとアイズレー・ブラザーズのコラボによる、往年のソウルヒッツのカバー集。そりゃイイに決まってるだろ、というアルバム。

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いい意味で、予想以上にパワフルな出来に驚いた。もうちょっとベテランの「枯れた味」も期待してたけど、これはこれで大満足。

シンディ・ブラックマン・サンタナがドラムを叩いてるのもパワーの源だろう。この人はサンタナの女房だけど、その前はレニー・クラヴィッツのツアーバンドのドラマーとしてお馴染みだった人。アフロヘアーでビジュアル的にもカッコよかったシンディが、いつのまにかサンタナ・バンドに移籍して、カルロス・サンタナからステージ上で求婚されたそうだ。
アルバム中、唯一のオリジナル曲はシンディ作曲で、往年のヒット曲に負けない美しいバラードだ。

カーティス・メイフィールドの「ジプシー・ウーマン」とか、ディオンヌ・ワーウィックの「世界は愛を求めている」とか、マーヴィン・ゲイの「マーシー・マーシー・ミー」とか、もうロナルド・アイズレーのファルセットがたまらない。

ひとつ希望を言えば、アイズレーのセルフカバーがあっても良かったかなと思う。アイズレー・ブラザーズもまたソウル・レジェンドのひとつなんだから。
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