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おやぢロックの友:アウトテイク
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好きな音楽のこととか、映画のこととか、なんかユルユルなことをメモ的に書いてみます。日記はムリ。自己紹介ったって、あとは何だ、好きなものでも書いておくか。アメリカン・ロックとか、西部劇全般、クリント・イーストウッド、サム・ペキンパー・・・おやぢ臭いな。えーと、ルーシー・リューが好き。
そうだ、あと、女子ソフトボールを応援してます。

■ブログにメアドは載せない方がいいらしいけどね。
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冬の乱読アワー4 日本アパッチ族

2019/02/21 10:23
小松左京『日本アパッチ族』(角川文庫)を読んだ。
小松左京、1964年発表のSF長編デビュー作。

現在はハルキ文庫で読めるようだけど、僕の持ってるのは20年くらい前に出た角川文庫のリバイバルコレクション版。

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これはなかなか愉快痛快なSF小説。死刑制度が廃止された日本では、犯罪者は塀で囲われた追放地に収容される。荒野で食糧難に喘ぐ人間たちは屑鉄を食うことで、進化した食鉄人種「アパッチ」となる。

序盤はハードな描写で、主人公が追放地に入るあたり、ジョン・カーペンター監督の『ニューヨーク1997』ばりの期待感。
しかし主人公がアパッチ化してからは、なんともユーモア溢れるタッチが楽しい。舞台が大阪ということで、アパッチたちが大阪弁なのもユーモアを感じる要因だ。
アパッチ族の大酋長、二毛次郎(にげじろう)が、外国に報道された際に誤訳で(ジロウ二モー)、つまりアメリカインディアン本家アパッチの勇者(ジェロニモ)になるあたり、膝を叩いて喜んでしまう。

さらに主人公をアパッチになぞらえることで予感される、悲劇的な結末…にはならないのだ。これが。豪放無頼なディストピア小説だ。僕もクギでも齧ってみようかな。鉄分は大事です。

昨年読んだ小松左京の自伝的小説『やぶれかぶれ青春記』でも感じたように、小松左京の根底にある反骨心が、ここでも大いに発揮されている。
そしてこれは60年代半ばに書かれた小説だが、日本がパニックになった場合の政府の対応や、マスコミや大衆の反応は、現代でも通じるものがある、というか何十年も進歩していないというべきか。


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それでは今日は、シャノン・マクナリーの『ジェロニモ』より、表題曲の「ジェロニモ」を聴きながらお別れです。プロデュースはチャーリー・セクストン。
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楽しいラジオ生活。

2019/02/20 14:39
最近はラジコと、ラジコのタイムフリーのおかげで、ますますラジオが楽しい。ラジオ日本の大瀧詠一「ゴー・ゴー・ナイアガラ」とか、TOKYO FMの「村上RADIO」とか、InterFMの「細野晴臣Daisy Holiday!」とか聴いてると(TBSラジオ「菊地成孔の粋な夜電波」が昨年末で終わったのが残念でならない)、僕ももっともっと幅広く、いろんな音楽を聴きたい欲が止まらない。

「村上RADIO」で、すっかりテーマソング風になってる「マジソン・タイム」収録の『The New York Rock And Soul Revue』は、僕も持ってるので、久々に聴いてみる。

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これは1991年に発売。ドナルド・フェイゲンとマイケル・マクドナルドが中心となり、ゲストにフィービ・スノウやボズ・スキャッグスらを招いて、古いソウルやロックをレビュー形式で披露する楽しいアルバムだ。
この活動が、のちにマイケル・マクドナルドのモータウン・カバー・シリーズや、ドナルド、マイケル、ボズの3人による「デュークス・オブ・セプテンバー」に繋がって行く。

ドナルド・フェイゲンがMCで「マイケルと僕は昔、おなじバンドにいてね、ツアーの時はよく一緒にこの曲を歌ったものなんだ。こんな感じでね」なんつって、スティーリー・ダンの「プリッツェル・ロジック」をデュエットとか、もうたまらんよね。

注釈しておくと、オリジナルの「プリッツェル・ロジック」にマイケル・マクドナルドは参加していないが、その後のスティーリー・ダンのツアーにサポートメンバーとして加入(ちなみにドラマーとしてに当時19歳だったジェフ・ポーカロも加入している)。
だから、ドナルド&マイケル、デュエットの「プリッツェル・ロジック」は、このアルバムで初めて聴けたのだ。ああ楽しい。
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冬の乱読アワー3 脱走と追跡のサンバ

2019/02/10 12:10
筒井康隆『脱走と追跡のサンバ』(角川文庫)を読んだ。
1971年発表、筒井康隆初期のSF長編小説。

何度かリニューアルされてるみたいだけど、僕の持ってるのは山藤章二のカバーデザイン。個人的には筒井さんと山藤章二のコンビが好きだ。でもネットで検索してみると、リニューアル前のイラストも良かったな。

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ところでこの小説はSFってことでいいんだろうか。SF作家の「おれ」が日常に覚える違和感。「おれ」の住む世界は、以前の世界とそっくりだが、何かが違う。「おれ」はこの世界からの脱出を試みるが、みどり色の背広を着た追跡者が現れる…。

巻末の解説によると「ニュー・ウェーヴ」と呼ばれる前衛SF小説のパロディ、とある。今度はウィキペディアで「ニュー・ウェーヴ(SF)」をみると「1960年代に発生し、1970年代にかけて」生み出され、J・G・バラードは「SFは外宇宙よりも内宇宙をめざすべきだ」と提唱した、とのこと。なるほど分かったような分からないような。

おれとは何者なのか。この世界とは何なのか。おれ思うゆえに世界あり、みたいな哲学的スラップスティック小説だ。深遠なテーマを持ったSF小説のような気もするし、「深遠なテーマを持ったSF小説」のパロディなのかもれないとも思う。

  パロディでないものなんて、だいたい現実にあるのですか。現実
  そのものが何かのパロディであるとお考えになったことは一度も
  ないのですか。このグロテスクに歪曲された現実は、いったい何
  のパロディだろうとお考えになったことは一度もないのですか。
                           (309p)

結末近くの会話からの抜粋なんで、引用するのはどうかと思ったけど、結局こういうことなのかなと。とにかく、グロテスクかつシュールかつヤケクソ気味な、特に後半のイメージの洪水は凄まじい、筒井康隆初期の傑作だ。むかーし読んだ時よりも、少しは理解できたかな。


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それでは今日は、サンタナの名曲「君に捧げるサンバ」を聴きながらお別れです。
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冬の乱読アワー2 唐獅子株式会社

2019/02/04 16:27
小林信彦『唐獅子株式会社』(新潮文庫)を読んだ。
1978年刊行の任侠パロディ連作小説。

これは1983年に横山やすし主演で映画化されていて、高校生の頃に観たが、さっぱり面白くなかった記憶がある。今なら少し違った見方が出来ると思うけど。原作も同じ頃に読んだが、いま持ってるのはブックオフで買い直したもの。装丁は平野甲賀さんですね。

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横山やすしが演じたダーク荒巻は、原作ではお笑い担当の脇役で、主役は関西の最大勢力・須磨組傘下、二階堂組の黒田哲夫。黒田が五年ぶりに出所すると、極道の世界も様変わり。須磨組の社内報「唐獅子通信」の編集を黒田が任される顛末から始まる。

社内報から始まり、ローカルテレビ局経営、音楽フェス開催、映画製作、とどんどんエスカレート。キャラクターがおなじみになってくることで、過剰にスラップスティック化していく。

文庫巻末に、筒井康隆によるパロディの原典の細かな注釈が付いている。
パロディの注釈とは野暮な……とは思うけど(おそらく注釈自体が田中康夫「なんとなく、クリスタル」のパロディ)、刊行から40年も経つと、これが面白い。なるほどあの時代かぁと頷ける。
例えば大親分がカリフォルニア文化にかぶれる「唐獅子生活革命」は、当時の雑誌「POPEYE」(1976年創刊)などを始めとした西海岸ブームの影響だろう。大親分が「気分はビートルズよ」と、本来カリフォルニア文化とは関係ない「ビートルズ」を出してしまうのは、そのズレが面白いのだが、当時、写真家の浅井慎平が刊行した「気分はビートルズ」というフォト・エッセイ集には西海岸の「気分」が溢れていた。

逆に「唐獅子惑星戦争」における『スター・ウォーズ』(1978年日本公開)ネタの、いまだに注釈を必要としない長命ぶりにも驚く。
猥雑な繁華街で黒田たちに力を貸すことになる、密輸業者の中国人、范さんとはハン・ソロのパロディだ。

こないだ読んだ『超人探偵』で神野推理氏が関西出張の際、『唐獅子株式会社』から学然和尚とダーク荒巻がゲスト出演していたのもまた楽し。


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それでは今日は、ほんとは高倉健さんの「唐獅子牡丹」でもあればいいんだけど、残念ながら健さんのCDは持ってないので、獅子ってことで、ブラック・クロウズの『ライオン』より「ヤング・マン、オールド・マン」を聴きながらお別れです。
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桃尻娘。

2019/01/30 02:13
作家の橋本治さんの訃報があった。70歳。軽々しく残念とか悲しいとか言えるほど読んでるわけじゃないけど、本棚には数冊あります。

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『桃尻娘』。橋本治デビュー作。巻末の本人による年譜をみると1977年に最初の短編を発表して、単行本になったのは翌1978年。橋本治30歳の時だそうだ。僕の持ってる講談社文庫版のカバーイラストは高野文子。
いいですねぇ。カラートーンだろうか。いかにも1980年頃の空気を感じるポップな色彩と描線。

今はポプラ文庫から出てるようです。表紙はガラッと変わってるけど、これも可愛くて現代風で良いと思います。

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だけど『桃尻娘』が、今の若い人にも読まれるような普遍的名作かといわれると、これはやっぱり1970年代後半から80年代くらいの時代背景を考慮して読まないと、結構キツいかな。何しろもう40年前だ。
もちろん僕は、ばっちりハマってます。
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冬の乱読アワー1 ダンス・ダンス・ダンス

2019/01/28 23:11
新刊にそそられる本が少ないことと、こないだ小林信彦の『神野推理氏の華麗な冒険』を読み返して、昔の小説も面白いな、と思ったので、よし、これからは「前向きに振り返ろう」と静かに決意。なのでしばらく昔の本の乱読が続く予定です。

そういうわけで、村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス(上下)』(講談社文庫)を読んだ。これは1988年の発売当時、ハードカバーで読んだはずなのに、なぜか今は文庫しか持ってなかった。

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初めて村上春樹を読んだのは『ノルウェイの森』(1987年刊)だけど、僕はかなり遅れて読んだはず。ベストセラーになっていたものの、ヨーロッパの森の話とか知らんし、としばらくスルー。でもそういう話じゃないと知って読んでみたのが21、2歳の頃ですか。ですぐに『風の歌を聴け』から遡って、『ダンス・ダンス・ダンス』からはリアルタイムで。

20数年振りに読み返したら、ほとんど覚えてないこともあって、どんどん引き込まれた。主人公はフリーライター(文化的雪かき)にしては稼いでるなぁと思うけれど、物語の舞台となった1983年頃は、広告業界や出版業界も景気が良かったんだろう。きっと。
中流以上の都市生活者の洗練された日常と、隣り合わせのデヴィッド・リンチ的な闇の迷宮との交差。ミステリー小説とはいえないが、ある種の謎解きに主人公が奔走するハードボイルド探偵ものに近い肌合いもある。そして本筋とは関係ないポピュラー音楽や文学に対する考察もまた楽し。

読み終えた余韻の中で、改めて佐々木マキのカバーイラストを眺めると、つくづく素晴らしい。ポップでダークで、そうそうこんな小説!となる。


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それでは今日は、この小説には膨大なポップミュージックが流れているけれど、ここはビーチ・ボーイズの「ダンス・ダンス・ダンス」を聴きながらお別れです。
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鬼九郎四変化

2019/01/27 12:17
近頃本屋さんで、文庫新刊コーナーの平積みを眺めて思うのは、ほとんどの出版社がカバーに漫画家さんを起用して、全体的にライトノベル化してるんだよなぁ、という感想。売れるからそうなってるんだろうし、別にいいんだけど、あんまりそそられないなぁと。

例えば1992年に実業之日本社から出た、高橋克彦『舫 鬼九郎(もやいおにくろう)』のハードカバーは、こんなデザインだった。

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荒唐無稽なチャンバラ小説に、土屋ヒデルの装画がピッタリ合って、僕は大好きな一冊だ。

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これが1996年に新潮文庫から出た時は、装丁が不二本蒼生に変わって、イメージチェンジ。でもこれはこれで、ノスタルジックなムードが悪くはないな、と思っていた。単行本持ってるから買わなかったけど。

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そんな鬼九郎が、2017年に文春文庫に「移籍」して、新たに出ることになった。楽しみにしていたら、ずいぶんスッキリしたカバーデザインで、あ、ああ、こんな感じなんだ・・・と。いやカッコイイけどね。ハードカバーのチャンバラ感が好きだったもので。

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あと鬼九郎は2013年にリイド社でコミック化されている。これはまあ漫画なんで、強そうでいい。

でも版元を移籍しながらも、『舫 鬼九郎』が今も読み継がれるのは嬉しいことであります。
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刑事と弁護士と占い師。

2019/01/24 12:54
今期のドラマは、なかなか面白いのが揃ってて、とりあえず4本に絞る。

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テレビ朝日『刑事ゼロ』
沢村一樹主演のコメディ調刑事もの。ある事件のショックから、刑事としての20年間の記憶を失ったベテラン刑事、というユニークな設定。
まあね、刑事としての記憶だけを失う、なんてそんな都合のいい記憶喪失がありますか、ていう。捜査のノウハウは忘れたのに、パソコンもスマホも難なく使えちゃうとかさ。でも楽しいからいいです。

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テレビ朝日『ハケン占い師アタル』
同じ木曜日『刑事ゼロ』の後にやってる『ハケン占い師アタル』。派遣社員の杉咲花が占いの能力で社員の悩みを解消していくという、これまたユニークな設定のドラマ。杉咲花って僕のイメージでは小さくて可愛らしいって感じだったけど、共演の志田未来がさらに小さくて、杉咲花が大きく見える・・・そこはどうでもいいか。でも可愛いからいいです。

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TBS『メゾン・ド・ポリス』
新米刑事の高畑充希が、退職警察官だけが住むシェアハウスのおじさんたちと協力して事件を解決していく、シルバー人材活用刑事ドラマ。
なにやらワケありで退職したらしい、シェアハウスの中では下っ端の西島秀俊が、意外と主役っぽい活躍を見せる。全体に明るいトーンのわりに、扱う事件はハードで猟奇的な内容だった。でも面白いからいいです。

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日本テレビ『イノセンス 冤罪弁護士』
坂口健太郎主演の弁護士もの。弁護士ドラマもミステリーの一種であり、刑事ドラマと並んで今や定番化してるかな。
日本の刑事裁判では、起訴されると99.9%の確率で有罪といわれる難関に挑む弁護士のはなし。松本潤の『99.9 刑事専門弁護士』とほぼほぼ同じです。でもこの4本の中では一番見応えあったからいいです。


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それでは今日は……警官が出てくるドラマが多いかな、ってことでポリスの「見つめていたい」でも久々に聴いてみましょうか。
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神野推理氏の華麗な冒険

2019/01/14 13:42
こないだ風野真知雄の『昭和探偵』を読んで、楽しみつつも何か物足りなく、しかし懐かしさを刺激され、本棚から小林信彦の『神野推理氏の華麗な冒険』を引っ張り出して読み返す。

『神野推理氏の華麗な冒険』は1977年(昭和52年)刊行のパロディ推理小説。僕の持ってるのは昭和59年発行の新潮文庫版第五刷。本紙は日焼けして真っ赤っ赤になっちゃってるけど十分読める。『超人探偵』は1981年(昭和56年)刊行の続編。定価360円だって。今の半分だな。
カバーイラストはもちろん小林泰彦。

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もうね、リアルタイムの昭和感がたまらない。例えば33pはこんな。

 シャバドゥビィ……イエー……
 おれがむかし鬼面だったころ おれの親父はトンズラ
 お袋はふくれっつらで 妹は泣きっつら
 弟はニキビっつらだった……分きゃるかな?

これは松鶴家千とせが昭和50年頃に流行らせたギャグを、冴えない刑事が出来の悪い替え歌でやってる場面。僕よりちょっと若い世代でももう分かんねえだろうなあ。こういうのこそ「あった、あった」と懐かしい。

 古い、古い。コンプレックスさらして居直る手が使えたのは、
 太宰治が限度でしょう。(22p)

 だいたい、あなたのうらぶれ方ってのは、思想的、風土的裏付けが
 乏しいの。それじゃ、単なる〈うらぶれ〉よ。日本の現実がもうも
 うと立ちのぼってくるようなうらぶれ方であって欲しいと思うのよ
                           (46p)

こういう文体って初期つかこうへいもよく書いてた、この時代独特のノリを感じる。「ロッキード事件と『北の宿から』で、一年が終わったという感じだな」(207p)なんてのも、当時の気分がよく出てる。
パロディも、トリック自体のユーモアも、登場人物のキャラクターも抜群に面白くて一気に読んだ。
続編の『超人探偵』は、少しムードが変わって神野推理の幼児性が消え、文体も遊びの要素が薄まり、より本格的なミステリー(のパロディ)となっていて、こっちも続けて一気読み。

小林信彦、僕は必ずしも好きな作家でもないんだけど(それでも本棚には十数冊並んでますが)、ミステリー小説の造詣や、マニアックな映画ネタ、パロディというジャンルに対するこだわりなど、この時代の小林信彦はやっぱり圧倒的に面白いっすね。

 
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それでは今日はエルヴィス・コステロ、昭和56年の曲「ウォッチング・ザ・ディテクティヴス」を聴きながらお別れです。
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昭和探偵

2019/01/08 23:57
風野真知雄『昭和探偵1.2.3』(講談社文庫)を読んだ。
定価各640円+税。

昭和テイスト溢れる吉岡里奈さんのカバーイラストに惹かれて、なんとなく買ってみたお気楽ミステリーシリーズ。

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西新宿の雑居ビルに事務所を構える探偵・熱木地潮は、バラエティ番組の企画でアグネス・ラムの消えた水着の捜査をしたことから、次々と昭和なネタの依頼が舞い込む。

風野真知雄は初めて読んだけど、時代小説がメインの作家なんですね。平成も終わろうとする今、昭和も既に時代小説ってことだろうか。
ミステリーとしてはごく軽め。主人公や取り巻くおじさんおばさん達と昭和ネタで「あった、あった」と懐かしむのが趣旨だろう。
アグネス・ラム、ディスコ、汲み取り便所、ラッタッタ、インベーダーゲームなどなど。読者層はかなり限定されそうだ。いっそビッシリと脚注を付けても楽しかったかもしれない。

ネタを引き立たせるためとは思うけど、主人公のキャラクターが薄い。容姿もそこそこ、探偵としての能力もそこそこ、経済的にもそこそこやってる。昭和39年生まれの設定の、そこそこのおじさん探偵だ。
そのネタにしても、僕として例えば昭和の歌謡曲とか、映画ネタとか、ギャグとか、アニメとか、もうちょっとマニアックな、サブカル寄りの昭和案件が欲しかったかな。でも深夜帯あたりでドラマ化されたら面白そうな気はします。


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探偵は英語だと「Detective」、または「Private eye」なんて言い方もありますね。というわけで今日は、ダリル・ホールとジョン・オーツ、昭和56年のヒット曲「プライベート・アイズ」を聴きながらお別れです。
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熱中ラジオ 丘の上の綺羅星

2019/01/03 09:51
嘉門タツオ『熱中ラジオ 丘の上の綺羅星』(ハルキ文庫)を読んだ。
定価700円+税。

こないだの横山雄二の本の隣に並んでて、一緒に買った本。これまた地方ラジオの物語だ。ラジオ関係の本はつい買っちゃうよね。嘉門タツオは、ウィキペディアによると2017年に達夫からタツオ表記にしたとのこと。

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大阪MBSの有名なラジオ番組「MBSヤングタウン」、通称「ヤンタン」を中心とした、おもに70年代・嘉門タツオの自伝的小説。
「ヤンタン」はネットされてなかったから聴いたことはないけれど、関西圏の大人気番組という情報だけは知っている。この番組をきっかけに桂三枝、笑福亭鶴光、鶴瓶、明石家さんま、アリスらが人気になって全国区になっていったそうだ。

この小説は少々イビツな構成で、第一部が60年代末に「ヤンタン」でデビューした歌手・金森幸介篇。第二部がメインの嘉門タツオ篇。そして第三部が「ヤンタン」プロデューサーの渡邊一雄篇となる。
ラストでこの3篇が結びつくのは感動的で、不思議な「縁」も感じるが、小説としてはちょっと不恰好で「ヤンタン」の歴史を書きたかったのか、嘉門タツオの自伝なのか、どっちつかずの印象だ。

でも70年代の関西ラジオ界の熱気は、十分に伝わってくる。ラジオが発信地となって、新しいスターやヒット曲や流行が生まれた時代。そしてそれを作ったプロデューサー渡邊一雄という男のセンス。
おそらく渡邊一雄氏が2010年に亡くなったのを機に、渡邊さんと「ヤンタンの時代」の記憶を記しておきたい、という思いから書かれた本なんだと思う。それは十分に伝わってきた。


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それでは今日は、シェリル・クロウの「カモン・カモン」を聴きながらお別れです。
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ボヘミアン・ラプソディ

2019/01/02 00:08
昨日はイオンシネマ板橋にて『ボヘミアン・ラプソディ』を観た。
サービスデーにつき1100円。

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せっかくのサービスデーだから何か映画を……と思ったけどコレといって観たい映画がない。じゃ観なきゃいいのに、ついついお得な福袋を買ってしまう心理と同じで、安い日に観なきゃソンソンと、景気付けに良さそうな、大ヒット中の『ボヘミアン・ラプソディ』を観ることに。
数々の音楽映画を観てきたが、こんなに観客で埋め尽くされた映画館で観るのは初めてだ。本当にヒットしてるんだなぁと。

さぁて困ったぞ。僕はクイーンは好きでもないし嫌いでもない。結局それが全てだった。この映画を観ても、クイーンを好きにもならなかったし嫌いにもならなかった。だから面白くもないしつまらなくもない。
それしか言いようがない。

ブライアン・シンガー監督は手際良くまとめているが、手際が良過ぎて、
デビューからスター街道までもあまりにトントン拍子に感じるし、「ボヘミアン・ラプソディ」のオペラも、「ウィ・ウィル・ロック・ユー」のリズムも、一つのアイデアからあっという間に曲が完成して、なんか案外と簡単に出来たんだなぁ、という感想だ。彼らが天才だったから、といえばそれまでだけど。

1985年のライブエイド。もちろん日本でもテレビ中継されて、僕もVHSビデオで必死に録画した覚えがある。個人的にはクイーンよりもミック・ジャガーとティナ・ターナーの方が記憶に残ってるけどね。
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神社散歩。

2019/01/01 13:34
僕はわりと神社好きなので、年がら年中神社に立ち寄ってるから、
とくに初詣って感じでもないけれど、
とりあえず買い物ついでに近所の神社にご挨拶を。

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趣味といえば散歩と昼寝くらいしかないので、
神社巡りをして、ときどき写真撮ったりしております。


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それでは今日はチャットモンチーの「初日の出」を
聴きながらお別れです。

 ♪朝日か夕日かもわからないやつが 綺麗だなんて言ってないで
  太陽が落ちているんじゃないよ 我らが進んでいるのだ
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ふるさとは本日も晴天なり

2018/12/31 13:20
横山雄二『ふるさとは本日も晴天なり』(ハルキ文庫)を読んだ。
定価680円+税。

横山雄二は広島RCC中国放送のアナウンサー。広島ではかなりの有名人らしいが、広島以外の人が彼の名を知るのは、TBSラジオ「爆笑問題カーボーイ」で、太田さんが毎週のように「横山コノヤロー!」と謎に絡みだしてからじゃないかと思う(太田さんほどラジコのエリアフリーをフル活用してる人はいない)。太田さんのオビ効果か分からないけれど、10月18日に第一刷が出て、僕が買ったのは11月28日発行の第六刷。す、すごい。毎週のように増刷が出てる。

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この本は初の自伝的小説ということだ。甲子園を目指した高校球児時代から、映研で奮闘する大学時代、アナウンサーとしてRCCに入社してから現在に至るまでのことが、家族への思いと共に書かれている。

文庫のソデにあった著者プロフィールをみて知ったんだけど、横山雄二は僕と同い年だった。だから少年時代に見てきたもの聴いてきたものがよくわかる。文中に散りばめられた「ビートたけしのオールナイトニッポン」「戦国自衛隊」「地獄の黙示録」「薬師丸ひろ子」「家族ゲーム」といったワードの数々に記憶がぴったり重なる。ただし僕と違う点は、横山雄二はかなりモテるところだ。横山コノヤロー。
しかしハルキ文庫から出すからって、角川春樹にヨイショし過ぎじゃないかってほど角川映画の影響が書かれるが、本当に横山雄二にとって角川春樹は「神」であり、広島の深夜テレビで対談して以来の間柄のよう。

若き横山雄二は、ラジオやテレビの過激な言動で人気を得たものの、上層部から反感を買い社内で長く干されてしまった経験があったそうだ。爆笑問題の太田さんが絡み出した時、そこまで知っていたとは思えないが、この本を読むと、太田さんがシンパシーを感じたのも納得の男だった。


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それでは今日は、青空に虹がかかったカバーからの連想ですが、CASTの「フリー・ミー」を聴きながらお別れです。
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バーニング

2018/12/30 14:38
昨日はNHKでやっていたドラマ『バーニング』を見た。
村上春樹のわりと初期の短編「納屋を焼く」を、韓国に舞台を移し、イ・チャンドン監督が映像化したもの。

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ドラマを見るにあたり、原作をあんまり覚えてなかったから、本棚から引っ張り出してみた。『螢・納屋を焼く・その他の短編』(新潮文庫)。カバーは安西水丸さんですね。で読み返してみたら・・・うん、よく分からない小説だった。

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ちなみに僕は「風の歌を聴け」から「スプートニクの恋人」くらいまでの小説・エッセイは全部読んでると思うけど、その後くらいから村上春樹はもの凄く売れる作家になって、発売日にファンが本屋に並ぶニュース映像とか見ると、ちょっと引いてしまい、全然読んでませんすいません。

ドラマはとても新鮮に見ることができた。韓国のロケーション、原作を大胆に改変した部分、付け足されたエピソードもあり、しかも「納屋」ではなくて「ビニールハウスを焼く」になっているが、それでも村上春樹の「納屋を焼く」だったと思う。
原作のよく分からない部分は、ドラマでも答えは出さないままだけど、イ・チャンドン監督の解釈により、ヒントというか思わせぶりな演出がなされていた。「そこに蜜柑があると思い込むんじゃなくて、そこに蜜柑がないことを忘れればいいのよ」「まるでそもそも最初からそんなもの存在もしなかったみたいにね」なんてセリフがすごく意味深に感じられる。
猫とか井戸とか(原作にはないが、いかにも村上春樹的な)も実在するんだかしないんだか。

このドラマは「アジアの映画監督が競作で村上春樹の短編の映像化に取り組むプロジェクト」第一弾、なんだそうだ。なるほど、それぞれの監督がどう解釈するのかを含めて、次回作も楽しみに待ちたい。


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それでは今日は、原作の中で「彼女」が選んでいたレコードから、マイルス・デイヴィスの「エアジン」を聴きながらお別れです。
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もう一つの世界。

2018/12/29 02:35
ニュースによると、2012年から続く景気拡大局面が、高度成長期の「いざなぎ景気」(1965年11月〜70年7月)を超えて、戦後2番目の長さになった・・・らしい。この景気に名前があるのかは知らないが。
そういえば、近所でもあちこちで大きなマンションが建ったり建設が始まったりしてる気がする。景気がいいのは本当なんだろう。

しかし僕はといえば、月末に支払うものを支払ったら既にすっからかん。
何処にも行けないし、何にも買えない。ニュースの中の世界と僕の住む世界は違うようだ。これはパラレルワールドが存在することの証明ではないだろうか。並行世界に住む僕は、景気のいい世界を見ることは出来るが、決して触れることはできない。あるいは、もう一つの世界には景気のいい僕がいるのかもしれない。

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そんなことを考えながら、今日は大瀧詠一さん1972年発表の『ファースト・アルバム』より、最高にかっこいいファンクナンバー「びんぼう」を聴きながらお別れです。ベース・細野晴臣、ドラムス・松本隆、フィーチャリング・鈴木茂!

  ♪汗だくになっていくら頑張ってみても
   判でおしたようにいつでも決まって びんぼう ぼくはびんぼう
   びんぼう びんぼう ひまなし
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O2-T1。

2018/12/25 17:25
昨日深夜はテレビ朝日「爆笑問題結成30周年記念単独ライブ『O2-T1』一挙放送スペシャル」を見た。
残念ながらチケットが取れなかった公演で、DVD化されたら買ってみようかな、と思っていたところ、まさかの地上波で全編放送とは。テレビ朝日さん、偉い!天才!

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漫才が本領の爆笑問題が、劇場で2時間のコントをやる。僕はラジオ『爆笑問題カーボーイ』を聴いているから、ある程度ウラ話やネタバレも先に知っていたけれど、それでも不思議な時間だった。
およそテレビ向きじゃない長尺コントを少々戸惑いながら見る。「テレビ向きじゃない」というのは彼らの漫才みたいに(芸能界的に)過激なネタがあるからじゃなくて、何だかよく分からないのだ。こないだの『検索ちゃんネタ祭り』でやっていたチョコレートプラネットや、ハナコや、ロバートや、東京03らの本業コントとは、テンポも笑いの数もだいぶ違う。
爆笑問題は、ほとんどセットらしいセットもない暗い空間の中で、シュールともベタともつかない独特の空気の二人芝居を続ける。
しかし「サラリーマン」「数字男」「二人の兵士」「医者と患者」「爆チュー問題」と続く一見バラバラな設定のコントが、実は全編つながっていて、ディストピアSF的なストーリーになっていることに気付いた瞬間、そういうことか!というカタルシスが訪れる。あの「爆チュー問題」まで繋げてくるとは!
なんともデタラメで、でもどこか知的で、少々のペーソスもあり、オリジナリティに溢れ、そして太田さんのSF趣味が滲み出たコントだった。

結成30周年記念ライブで今までの集大成的なネタではなく、あえての新ネタコントで新ジャンルに挑む爆笑問題、さすがです。


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それでは今日は爆笑問題30周年ってことで、ボブ・ディラン30周年記念コンサートより「マイ・バック・ページ」を聴きながらお別れです。
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伝説のナイアガラ。

2018/12/24 12:13
こんなことアリなのか!と耳からウロコだったのが、ラジオ日本開局60周年記念ってことで、伝説のラジオ番組『大瀧詠一/ゴー・ゴー・ナイアガラ』の再放送企画。ラジオ日本さん、偉い!天才!
70年代のラジオ番組の再放送、しかも特番の中で振り返るパターンじゃなく、まるまるノーカット放送とは、まさに耳からウロコ!
ラジオ番組はほとんどの場合、局にも音源が残ってないらしいが、この番組は録音放送だったことが幸いしたのかもしれない。しかもデジタルリマスターだってよ!

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昨夜の第一回は、1975年12月22日放送の『ビーチ・ボーイズとフィル・スペクターのクリスマスアルバム特集』。もう最高だ。
ていうかその前に、大瀧詠一さんが喋ってる!嘘みたいだが本当だ。

そもそもただの「オールディーズ」だったフィル・スペクター・サウンドを日本の音楽ファンが再発見したのは、大瀧詠一の影響じゃないかと思う(あとビーチ・ボーイズを再発見したのは山下達郎の影響だと思う)。
本編後に少しだけ音楽評論家の宮治淳一氏による解説が付いていた。
大瀧さんは「名作の誉れが高い」なんて言っていたけど、宮治氏によると1975年当時、フィル・スペクターのクリスマス・アルバムは日本未発売で、日本ではほとんど聴いた人がいなかったらしい。

そしてこのラジオ番組の素晴らしいのは、ノーカット放送であること。
大瀧さんはトークの中で「あ、そういえば今日ですね、シュガーベイブが新宿厚生年金小ホールにおきまして、クリスマスコンサートというのがありますが・・・」とか言うんだよ。なんという1975年トーク。勘違いして新宿に向かわないように。

『大瀧詠一/ゴー・ゴー・ナイアガラ』ベストセレクションは、ラジオ日本さんで(さん付け)、毎週日曜深夜。全14回放送とのこと。来週はキャロル・キング特集。ラジオ日本さん、偉い!天才!
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小さいおじさんたち。

2018/12/23 18:38
この時期のテレビは、バラエティの特番が多くて、何を見るべきか迷うところ。昨日はテレ朝のビートたけしの超常現象のやつも、日テレのエンタの神様も蹴って録画してみたフジテレビ『出川と爆問田中と岡村のスモール3』が、なかなか楽しかった。

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タモリ・たけし・さんまの「BIG3」に対抗して、身長160cm以下の芸人、出川哲朗(54歳/159cm)、爆笑問題・田中裕二(53歳/154m)、
ナインティナイン・岡村隆史(48歳/156cm)の3人が「スモール3」を結成して、ゆるゆるな企画を楽しむ。

小さいおじさん芸人が集まってなんかやってるだけでもう面白い。テレビでの共演は多くなくても、プライベートでは3人でゴルフに行くほど仲は良いらしい。途中で3人が会いたかった人・ZOZOの前澤社長も加わって「スモール4」になるが、小柄といわれる前澤社長が一番大い。
そして番組通して、爆問・田中さんの有能さが発揮されていた。100m走やストラックアウトなどの対決企画でもトップなら、自然と番組MC的な役割も担う一番小さいおじさん。さすがです。
ぜひ、2ヶ月に一回くらいのペースでやって欲しいな。


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それでは今日は、ヒューイ・ルイス(68歳/182cm)&ザ・ニュースで「スモール・ワールド」を聴きながらお別れです。
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冬将軍。

2018/12/20 12:30
天気予報見ていると「冬将軍」、なんて言い方があるけど、冬将軍が来るなら寒くても仕方がないな、と覚悟を決めてしまうところがある。

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むしろ厳しい版のサンタクロース的なワクワク感さえ、多少はある。
あとは「シベリア寒気団」という表現もある。表現というか気象用語なのかな。これはきっと「冬将軍」の支配下の民が、ツアーを組んで日本にやってくるのだろう。

冬将軍を実写化するなら、僕の中ではこんなイメージなんだよな。

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雪のような白い肌に真っ白な長髪。長身で黒づくめの男が、ギターを担いでやってくる。その名もがジョニー・ウインターときた。
夏はきっとテキサスあたりにいるんでしょう。そして冬になるとシベリア経由で日本にやってくる。
これはジョニー・ウインター1991年のアルバム『Let Me In』。
当時ジョニー47歳。絶好調の傑作です。


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でも今日は、ジョニーが次に出した『Hey Where’s Your Brother?』より(これもまたいい出来。リラックスした雰囲気のジャケット写真も素敵です)「Please Come Home for Christmas」を聴きながらお別れです。
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