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桜井亜美『虹の女神』(幻冬舎文庫)を読んだ。 読まないよねフツー、桜井亜美。女子大生くらいに人気なんでしょ?女子高生かな。これは、熊澤尚人監督による映画版がとても良くて、それでそのー、ブックオフで105円だったもので…。なんで言い訳してるのか分からないけど。 学生時代の女友達・あおいが、飛行機事故で死んだ。智也は、あおいと過ごした日々を回想する・・・。 原作かと思ったら、ちょっと違って、もともと桜井亜美が映画のシナリオ用に書いた物語を、映画のプロデューサー・岩井俊二と共にブラッシュアップした小説、とのこと。 だから大まかな物語は、映画版と同じ。そして桜井亜美を初めて読んだが、意外に(人気作家に対して失礼ながら)よかった。やっぱり偏見や先入観はよくないね。 ただ、これは文章の上手い下手ではなく、好みとして、僕には馴染まなかった。 「借り物の微笑でパフォーマンスするヴェネチアの仮面劇だ」だの「残忍なロシアン・ルーレットを楽しんでいる神に」なんていう、独特の比喩が、もー徹底的に僕に馴染まない。 この小説は主人公・智也の一人称「ぼく」で書かれていて、つまり、この気取った文章は、桜井亜美というより「智也」が書いているかと思うと、余計にムズムズする。 小説と映画版の違い・・・そして映画版の方が圧倒的に魅力的だった部分は、主人公たちが大学の映研で作る劇中映画『The End on the World』の撮影シーンだ。映画版では、おそらく熊澤尚人監督の思い入れも加わって、この劇中映画がずっと大きな意味を持っている。 彼らが作る、いかにも学生映画っぽく、青臭い短編。映画版ではその完成版をフルで観ることが出来る(当たり前だが、これも熊澤尚人監督作品なわけで)、そこに映し出される、輝かしい日々。まだ生きて動いている、あおいの姿。ちょっと、たまらんよ。 これは「文章」ではなく「映像」の強み。 |
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